美容に興味が湧いてきたけど、何から始めればいいかわからない。今まで無頓着だった男性のあるあるのお悩みです。
そんな方はメイクなどに手を出す前に、まずは土台となる肌を綺麗に整える「スキンケア」から始めましょう。
どの基礎化粧品を用意すればいいのか、どの順番で使えばいいかを美容小心者にもわかりやすく解説します。
「スキンケア」とは
「スキンケア」とはお肌のお手入れをすることです。
- クレンジング・洗顔で汚れを落とす
- 化粧水や美容液で水分を補給して保湿
- 乳液やクリームの油分で保護
この3つが基本です。これらのスキンケアを行うことで、毛穴の黒ずみやニキビの予防したり、乾燥・花粉・ほこりなど外部からの刺激から肌を守ったりできます。
スキンケアの基本は「予防」です。ニキビができたり、シミが増えたり濃くなったり、シワが深くなったりするのを防ぐのが目的です。
少し薄くなったり目立ちにくくなったりすることはありますが、できてしまったシワやシミをスキンケアで完全に消すことはできません。もし消したい場合は美容医療になります。
ニキビも同じ。ニキビは皮膚の病気です。できてしまったときは皮膚科にかかりましょう。「ニキビケア」と書かれているようなコスメは、ニキビを直すのではなく、ニキビができにくくするための商品です。
テカっていても実は乾燥している!? 男もスキンケアが重要
ポーラ・オルビスグループのポーラ化成工業株式会社の調査によると、女性に比べて男性は肌の水分量は半分以下、皮脂量は3倍以上というデータが出ています。
つまり、乾燥しているのに皮脂でテカっている男性が多いということです。肌は乾燥をすると、潤いを保持しようと皮脂が過剰に出てしまうことがあるそうです。つまり、ちゃんとスキンケアで水分量を整えれば、テカリも抑えられます。
(※皮脂が少ない乾燥体質の男性もいます。私がそうです。)
また男性はシェービングをすることも多いため、習慣的に肌に負担がかかっているという事情もあります。そういう意味でも、肌をいたわるスキンケアは大切です。
基本のスキンケアの順番
- クレンジング・洗顔
- 化粧水
- 美容液
- 乳液
- クリーム
- 日焼け止め(朝だけ)
こちらはあくまで基本であり、化粧水の前に使う乳液、クリームのようにつかう美容液といったアイテムもあります。メーカーの推奨する使い方に倣いましょう。
1.クレンジング
まずは洗って汚れを落とします。
「クレンジング」は日焼け止めやメイクを落とすものです。メイクは基本、洗顔フォームでは落ちません。ファンデーションなどを使用した日は、洗顔の前に必ずクレンジングをしてください。
クレンジングは「毛穴ケア」も叶うため、メイクをしない方も週に1〜2回取り入れてみると、改善するかもしれません。
また、クレンジングの中には「ダブル洗顔不要」の商品があります。その名の通り、次の「洗顔」が不要のクレンジングです。手順を減らしたい方は、「ダブル洗顔不要」と書かれたものを選びましょう。
▼好きなプチプラクレンジング
2.洗顔
クレンジングをした後は洗顔フォームで洗いましょう。朝はクレンジングをせず、洗顔からでOKです。
洗顔で皮脂、古い角質、ほこり、花粉、クレンジングの油分などを落として、清潔な状態にします。
私は乾燥肌なので、できる限りうるおい感を残すタイプのクレンジング・洗顔料を選んでいます。脂性肌・混合肌の方は油分をすっきり落とすタイプの方がよいかもしれません。また粉がふいてしまうくらい極度の乾燥肌の場合、朝洗顔はぬるま湯のみでいい人もいるかもしれません。
自分の肌と向き合い、マッチする洗顔方法を選択しましょう。
▼好きなプチプラ洗顔料
3.化粧水
洗顔のあとに、化粧水で肌に水分を補給します。
手のひらかコットンに化粧水を取って、なじませていきます。肌をこすらず、優しくなでるように塗布するのがポイントです。強い摩擦はシミやシワの原因となります。
使用料は500円玉ぐらいが目安。メーカー推奨量がパッケージなどに書かれているので、使う前に読みましょう。
うるおいがもっと欲しいと感じたら、少し追加で手にとって二度塗りするのもオススメです。
▼好きな化粧水
4.美容液
美容成分がたっぷり詰まったアイテムです。
保湿、美白、ハリなど、肌悩み・目的に応じた様々なコスメがあります。自分の悩みにあったアイテムを選び、継続して使っていきましょう。
あれもこれも使いたくなりますが、重ねるほど肌への負担が重くなるので、1回のスキンケアで1〜2個におさめておくのがよいと思います。
また、美容液は必須ではありません。手順を減らしたい、シンプルケアにしたい、肌トラブルがあるから刺激を減らしたいなどの理由があれば、スキップして問題ないです。
なお美容液はアイテムによって使用タイミングが異なります。今回は解説をシンプルにするために「化粧水の後」としていますが、化粧水の前に使う「ブースター」「導入美容液」と呼ばれる商品などもあります。使用する順番はメーカーの推奨する使い方に従いましょう。
▼好きな美容液
5.乳液
化粧水で与えた水分を、乳液の油分で閉じ込めます。スキンケアで水分と油分のバランスを整えておくと、余計な皮脂が出ないようにできるそうです。
化粧水の前に使う「先行乳液」というアイテムもあります。後に使う化粧水などの馴染みを良くするアイテムです。乾燥肌の私は大好きで、先行乳液を使うと肌がふっくらやわらかくなる実感があります。
6.クリーム
クリームは乳液よりさらにこっくりとした油分で、水分を閉じ込めて肌を守る「蓋」のような役割です。
乳液・クリームはどちらかだけでも問題ありません。暑い季節は乳液・乾燥する季節はクリームと使い分けたり、夏は乳液だけ・秋冬は乳液のあとにクリームを追加したり、脂性肌は通年乳液のみなど、肌状態に合わせて使い分けましょう。
また、クリームは美容成分がたっぷり入ったアイテムも多い印象です。エイジングケアをしたい方は、美容成分を大々的に打ち出したクリームを選ぶのもいいでしょう。
▼好きなクリーム
7.日焼け止め
朝は日焼け止めを塗るまでがスキンケアです!
紫外線はシミ、シワ、たるみなど、あらゆる肌トラブルの原因となります。どれだけ高いエイジングケアコスメを使っても、美容医療にお金をつぎこんでも、紫外線をそのまま受けては無駄になってしまいます。
屋内にいるときも窓から日差しが入ってきます。夏だけじゃなく、春・秋・冬、通年で紫外線は降り注いでいます。365日、日焼け止めを毎日塗る習慣を作りましょう。
▼好きな日焼け止め
番外:オールインワン
基礎化粧品の中には「オールインワン」というアイテムがあります。化粧水、乳液、クリームの役割をすべてまかない、1つだけでスキンケアを完了できるコスメです。
疲れてスキンケアをする気力がない、家事や育児に追われて時間がない、飲んで帰ってきてすぐ寝たいといった時に、オールインワンがあると心強い味方となります。
単純に、日々のスキンケアが面倒くさい方にもオススメです。何もしないより、オールインワンをぺっと塗るだけでも肌調子が全然違います。
私はオールインワンを必ず1つは常備しておき、普段のスキンケアではクリーム代わりに最後のステップで使用、何もしたくない日にはオールインワンとして使っています。
▼好きなオールインワン
すべてのアイテムを使う必要はない
化粧水、美容液、乳液、クリーム……。スキンケアいくつかの工程がありますが、これら全てを使う必要はありません。
脂性肌ならクリームは使わない、シンプルケアにしたいから美容液は使わないといったように、自分の肌調子に合わせて使い分けましょう。
スキンケアで大事なことは、何より「心地良い」ことだと思います。スキンケアをしていて気持ちいいと思えるアイテムを選びましょう。気分が上がれば、きっと肌にも好影響が出てくるはずです。
自分の肌質を知る
自分の肌タイプを知れば、もっと的確なスキンケアが行えます。
4つの肌タイプ
脂性肌
男性に多いと思われる肌質。皮脂が多いタイプです。クリームの使用は控える、美容液はオイリーなものよりサラサラ系を選ぶなど、油分の調整を意識しましょう。
皮脂は出ていても、内側は水分がなくてカラカラという場合もあります。乾燥しているから水分を閉じ込めようと、皮脂が過剰に分泌されてしまいます。化粧水での保水をしっかりと行ってください。
また、皮脂の過剰な分泌を抑制するビタミンC、レチノール、ナイアシンアミドなどの成分を、意識的に取り入れていきましょう。
乾燥肌
カサカサ乾燥してしまうタイプです。
嫌われがちな皮脂もある程度ないと、今度はパサッとした肌質に見えてしまいます。水分を与えたあとに、乳液やクリームなどの油分で蓋をしましょう。セラミド、ヒアルロン酸、コラーゲンなど、保水成分を意識的に取り入れていくことも大切です。
ちなみに私はこのタイプです。
混合肌
Tゾーン(額や鼻)は皮脂でテカテカなのに頬は乾燥してカサカサなど、脂っぽい箇所と乾燥した箇所が混在したタイプです。
スキンケアアイテムは、必ず全顔に使わなければいけないということはありません。クリームは全体に薄く塗って、頬だけ重ね付けするなど、場所によって使い分けましょう。
普通肌
皮脂・水分のバランスが良いタイプです。肌トラブルが少ないと思われます。現状意地できるように、心地良いスキンケアをぜひ継続してください。
肌診断をしてみよう!
自分の肌タイプが何なのかを知るのは、意外と難しいと思います。私も最初は「男だから皮脂が出ているんだろう」と思っていたら、皮脂も水分もないカラカラ肌だったことが診断でわかりました。
いろんな化粧品メーカーから、スマホで手軽に使える肌診断ツールが出ています。無料で使えるので、まずはこういうものから試してみるといいでしょう。
もしコスメの購入も一緒に考えているなら、店頭で診断してもらえるデパコスブランドのカウンターに行くことをおすすめします。オンライン診断は正確性に欠けるため、実際にBAさんに見てもらうと確実です。
例えば私の好きなブランドでは
などでカウンセリングを実施しています。この4ブランドはスキンケアが主力商品ということもあり、ジェンダーレスな雰囲気があって、男性でも比較的入りやすいと思います。(どのブランドでも、まっとうな社会人として行けば邪険にされることはないですが)
カウンターでのカウンセリングは正確な肌状態がわかるだけでなく、最適なコスメを紹介してくれるのも魅力です。
デパコスはドラッグストアで売られている商品より、お値段ははります。ですが、初心者がプチプラをいろいろ使って迷子になるよりも、自分に合った商品を提案してもらって買った方が、結果的に損をしないこともあると思います。
私もスキンケアにハマり始めのころ、プチプラをいろいろ試す中で肌荒れしてしまいました。今は自分の肌のこととか成分のこととかがわかってきたので、肌荒れすることはなくなりましたが。
余談:人によって言ってること違わない?
医師、YouTube、インフルエンサーなどがスキンケアに関する情報を発信していますが、人によって言ってることが違うと感じることはありませんか?
美容系インフルエンサーウォッチャーとして色々見てきましたが、大きく2つの考え方に分けられると私は考えています。
- ニキビや肌荒れを起こさない健康な肌を目指す
- シミやシワを予防・改善して、今より美しい肌を目指す
前者は「マイナスから0」を目指す考え方。肌トラブルがない状態を目指していて、シンプルケアを提唱されている方が多い気がします。医師の方に多い意見です。
一方で後者は「0からさらにプラスを目指す」考え方。肌トラブルがないことを大前提として、さらに今よりももっとキメの整った美しい肌を目指していきます。そのため、エイジングケア系のコスメを積極的に取り入れていきます。
それぞれ「綺麗な肌」の定義が異なるので、言ってることが人によって違うと感じてしまうのだと思います。どちらが間違っている・正しいではなく、自分がどちらを目指すかで参考にする人・媒体を選んでいきましょう。
ちなみに私は2の考え方です。各企業の知見や技術の詰まったコスメで、どんなエイジングケア効果を期待できるのかを知るとワクワクしますし、どんどん取り入れてスキンケアするのが楽しいです。